車の軽さと重さが語られるとき、多くの場合は重量そのものではなく、体感が評価される傾向にある。
楽しさ、安心感、余裕、疲れにくさ。数値の話に見えて、実際は運転中の感覚の話だ。
軽さと重さは、同じ価値を奪い合っているわけではない。向いている方向が違う。それを分けて考えないと、話は噛み合わない。
軽い車が生む価値
軽い車の一番の価値は、操作と結果が近いことだ。舵を入れれば向きが変わり、踏めば前に出る。車の反応が濃く、運転に参加している感覚が強い。
止める・曲げるという基本動作も、処理すべきエネルギーが小さい分、読みやすくなる。
ただし外乱には敏感だ。横風や路面の荒れを拾いやすく、高速域では落ち着きを欠くことがある。軽さは価値を尖らせるが、万能ではない。
重い車が生む価値
重い車の価値は、場のノイズに巻き込まれにくいことだ。直進の安定感や高速巡航の余裕、同乗者の安心感は、質量が効きやすい。
一方で、止める・曲げるための負担は増える。反応は穏やかになり、操作と結果の間に一拍入る。
これを安心と感じるか、鈍さと感じるかで評価は分かれる。重さそのものではなく、重さを前提に整えられた設計が効いている。
どこから軽く、どこから重い?
「軽い」「重い」を決める公的な言葉はない。ただ制度上では、車両重量を帯で区分して扱っている。
体感の目安としては、1,200kg台までを軽快、1,300〜1,600kg台を標準、1,700kg台以上を重量級と感じる人が多い。
ただしこれは感覚の話だ。同じ重量でも、重心や足回り次第で体感は大きく変わる。車重は結論ではなく、設計思想を見るための材料に近い。
軽さと重さが、車の性格に
軽さはスポーツカーの性格を作りやすく、重さはセダンの性格を作りやすい。どちらが正しいかではない。軽さは情報量を、重さは安定感生む。それぞれが、守っている価値が違う。
車両重量とは、何を残したいかを考えるための分かりやすい入口だ。
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